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適法性・営利性・明確性


事業目的には、明確性、適法性及び営利性が求められます。従来はこれらに加えて具体性も求められていましたが、会社法施行によりこの具体性の要件はなくなりました。登記申請に際して審査されないということですが、この点については「明確性」と併せて説明します。

以下、個別に説明していきます。

「適法性」
事業目的の内容が法令や公序良俗に反していないことが必要です。殺人請負、売春斡旋、麻薬販売などは当然認められませんが、債権取立業務、登記申請業務のように法令で弁護士、司法書士等の独占業務とされている業務にも注意が必要です。

また、タバコの製造や信書の送達のように特定の会社にしか認められていないものもありますので、念のためご留意ください。


「営利性」
この営利性という要件について、「会社には出資者に利益を分配する義務があるから、事業目的に含める事業は営利性のあるものでなくてはならない」という説明がよくなされますが、これは正しくありません。

旧商法下では会社の目的について一定の営利性が要求されていましたが(旧商法第52条)、会社法では事情が異なります。教育など一般に営利目的でないとされる事業も目的にできますし、全く収益を期待できない寄付等の行為も事業目的に含めることができます。ただし、収益を上げられない寄付等の行為だけが唯一の事業目的となると出資者への利益分配が不可能ですので、そのような事業目的は認められません。


「明確性」
目的として記載した文言の意義が明瞭であって、一意に確定しうるものでなければなりません。つまり、一般に広く認知された語句(あくまで現時点において)を用いる必要があるということです。記載が具体的かどうかという問題ではなく、言葉自体が一般の人に明瞭に理解されるものであるかどうかという問題です。

この点も誤解が多いようです。たとえば「商業」「製造業」などの記載は具体性は全くありませんが、言葉の意味は明確です。極端な場合ではありますが、これらを事業目的として登記申請をしても受理はされます。逆に、「モンタージュケースの製造及び販売」「遊走機器の企画、製造及び販売」などの記載は具体性はありますが言葉の意味がさっぱり不明確で、まず受理されません。

「広辞苑」、「知恵蔵」、「イミダス」、「現代用語の基礎知識」などに記載があることが明確性の一応の目安となりますが、最終的には法務局の登記官の裁量次第といったところでしょう。






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