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検査役の調査の免除要件の緩和


旧商法下でも会社法下でも、現物出資に際しては原則として裁判所の選任する検査役の調査を受ける必要がありますが(会社法第33条)、会社法では検査役の調査が不要となる場合の要件が次のように緩和されました。


@ 小額財産の場合

旧商法では、現物出資財産の価額が「設立時の資本の5分の1以下で、かつ、500万円以下」の場合に検査役の調査役を免除するとしていたところ、

会社法では単に財産の価額が「500万円以下」であれば免除されるようになりました。資本金の5分の1以下でなくてもよくなったわけです。
  
A 有価証券の場合

旧商法では、現物出資財産が「取引所の相場のある有価証券なる場合において定款に定めたる価格がその相場を超えざる場合」に免除されるとしていましたが、

会社法では、「市場価格のある有価証券について定款で記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合」に免除されるとなっています。

この変更により、証券取引所に上場されている有価証券以外にも、店頭登録株式(外国の店頭登録を含む)やグリーンシート銘柄株式(日本証券業協会が未公開株式の売買のために創設したグリーンシート市場で取引される株式)などが対象に含まれることになりました。

なお、上記の「法務省令で定める方法により算定されるもの」は、会社法施行規則第6条によれば、次に掲げる額のうちいずれか高い額の方に相当することになります。

会社法第30条1項の認証の日(定款認証日のことです。)における当該有価証券を取引する市場における最終の価格(当該日に売買取引がない場合又は当該日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格)
 二  会社法第30条1項の認証の日(定款認証日のことです。)において当該有価証券が公開買付け等の対象であるときは、当該日における当該公開買付け等に係る契約における当該有価証券の価格


この他に弁護士等の証明により検査役の調査が免除される場合がありますが、この要件については会社法でも特に変更されていません。該当条文は次のとおりです。

第33条10項  前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
<省略>
<省略>
現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合  第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)

上記第3号中の「第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項」というのは、

「金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数」(第一号)、及び、
  
「株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称」(第二号)

のことです。第一号は現物出資に関する事項で、第二項は財産引受けに関する事項です。






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